蒸し暑い季節がやってきましたね。
そんな暑さを忘れさせるカリブの国からの最高の贈り物、モヒートをご紹介します。
モヒート Mojito
材 料 作り方 (3人分)
ミントの葉 30枚
砂糖 小8
水 小4
ラム酒 大3
粗く砕いた氷 適量
炭酸水 グラス3杯分
①グラスにミントの葉7~8枚、砂糖小2、水小1入れ、スプーンの先で葉を軽く叩くようにして砂糖を混ぜ、香りを出す。
②ラム酒大1と氷を加え、炭酸水を注ぐ。ストローを添えて供す。
最近東京でブームを呼んでいるのが、ラム酒をベースにしたカクテル、モヒートです。モヒートは、ラムに、ライムジュース、砂糖、ソーダを加え、これにクラッシュアイスと、ペステルと呼ばれるすりこぎ棒で潰したミントの葉を入れて混ぜたもの。
外見は青汁みたいですが、飲んでみるとミントの爽やかさがきいた夏らしいカクテルです。
ペステルのない店はミントの葉をバースプーンの背で潰し(カクテルブックにはたいていこうやって作れと書いてあります)、グラスにマドラーを添えて、お客が自分で好みに応じてさらに葉を潰して飲むようにしているとかw
ミントは繁殖力が強いので、自宅のプランターで葉を育て、自分で摘んで作ったりしてもいいですね^^w
ミントにはスペアミントとペパーミントがあり、一般にはペパーミントが使われていますが、スペアミントの方がまろやかな味になるようです。
ライムの代わりにレモンを使う処方や、ソーダを加える処方もあります。
ミントはバー・スプーンの背を使ってつぶしますが、くれぐれもつぶしすぎないように。
また、クラッシュド・アイスは溶けやすいのでステアの時間は短く。
清涼感のあるホワイトラム、濃厚な味わいのダークラムどちらも美味しいです。
最近はこのモヒートにフレッシュフルーツを加えた『フルーツモヒート』もあり、ミントに合うフルーツでいろいろ作れます!
100人のキューバ人に尋ねれば、100通りの違うmojitoのレシピーあり。キューバ人ではないけれど自分だけのレシピーを作るのも一興です。
モヒートは、西印度諸島で生まれたという非常に古いカクテルです。
モヒートの前身 “ドラケ(Drarue)”
モヒートの前身とも言えるカクテルが誕生したのは、1586年と言われています。アメリカの富を支配しようとする英国女王エリザベスⅠ世の支援を受けながら、スペイン領アメリカの都市を荒らしていた海賊として知られる、フランシス・ドレイク船長の部下「リチャード・ドレイク」が発明したレシピ“ドラケ”(又は“ドラク”、“ドラック”)として知られる飲み物がモヒートの前身です。
今や世界のバーやレストランで人気のトロピカルカクテルとなってきたモヒートと、バカルディ・ラムとの関係は1860年代にさかのぼります。
キューバにおいて創始者ドン・ファクンド・バカルディが独自の製造方法により“世界初のスムースな味わいのラム“バカルディ”を誕生させたのが1862年。それ以前にキューバでアグアルディエンテ(サトウキビを原料にした蒸留酒)をベースに飲まれていたモヒートの前身とも言えるカクテル“ドラケ(Draque)”を、人々はその頃キューバ国内で急速に広まってきた上質なラム「バカルディ」を使って作り始めるようになりました。
今までとは違う、洗練された味わいのカクテル“ドラケ”を当時の人々は“モヒート”と呼ぶようになります。かくして1920年代の半ばには、キューバの国民的なドリンクとしての地位を確立することになるのです。
このモヒート、キューバのハバナ旧市街の酒場ラ・ボデギーダ・デ・メディオの名物カクテルだったのですが、ハバナに住んだ作家、ヘミングウェイ(1899~1961)が好んで飲んだために、世界中にその名が知られるようになりました。
キューバを愛してやまなかったアメリカの文豪、かのアーネスト・ヘミングウェイは、1940年、キューバの首都ハバナに居を定めました。ハバナのほぼ真ん中、カテドラル広場にほど近い酒場ラ・ボデギータ・デル・メディオによく通ったといいます。そのボデギータの看板ともいうべき酒が、このモヒートです。
「わがダイキリはフロリディータで、わがモヒートはボデギータで」と語ったヘミングウェイの言葉が、一躍モヒートというカクテルを有名にしました。
フロリディータは豪華なレストラン・バー、ボデギータはまるで倉庫を改造したような居酒屋風の店で、昼間から大勢の客であふれかえっていたそうです。
このボデギータのモヒートは、シェーカーなんか使わず、カウンターの上に緑の小枝の入った大ぶりのタンブラーを10個ほど並べ、そこへ順にラムを注ぎ、次にライム果汁を加え、といった風に、何杯ものモヒートを流れ作業のようにつくり上げ、そして、つくったはしから客のもとへ運ばれていきました。
キューバ人のラテン気質というか、とにかくアバウト。丁寧にシェークしたモヒートはもちろん美味だけど、暑い昼下りに飲む大雑把なモヒートも、これまた格別でしょう。
『ヘミングウェイ美食の冒険』によると、一説には店主が客寄せのためにヘミングウェイの名を利用したのだとか。
この本には、少年期から著書にでてくる料理のレシピまでエピソードと共に紹介されてます。
ヘミングウェイが好んで飲んだのは厳密にいうところのモヒートではなく、
ヘミングウェイの所有するピラール号のコック兼バーテンダーであったグレゴリオ・フェンテスが考案したものは、といったもの。
ヘミングウェイは絶対に酒に砂糖を入れませんでした。
ところで、ラムの原料となるさとうきびは、カリブ海の代表的な農産物のように思われていますが、実は原産国はインド。それがシルクロード経由でヨーロッパに入り、15世紀末、コロンブスがカリブに持ち込んだために、カリブ各地で急速に繁殖。収穫に人手が必要になったため、ヨーロッパの列強は、アフリカから奴隷をカリブに運び、カリブで穫れたさとうきびの糖蜜を北米に運んでそこでラム酒を造り、そのラム酒をアフリカに運んで引き換えに奴隷を買うという、いわゆる『三角貿易』を盛んに行います。
ラム酒は、そういう黒人の哀しい歴史を背負った酒でもあるのです。そうした歴史も踏まえた上で、お召し上がりくださいませ。
モヒートという名前はアフリカの言葉で「軽い魔法をかける」と言う意味の MOJOという言葉に由来しています。
この夏はモヒートで、軽い魔法にかけられてはいかがでしょうか^^
このカクテル、こちらのバーでごちそうしています。
よかったら、おしゃべりがてら、いらしてくださいね。^^
ZUMA
http://slurl.com/secondlife/Olivia/154/143/21